吐き気とは?
吐き気とは、いわゆる「吐きそうな気分」のことを指しますが、広い意味では、腹部全体の不快感、食欲不振、胃のむかつきなども含まれます。乗り物酔いなどの一時的かつ特に心配のない「吐き気」から、重篤な疾患を原因として起こる「吐き気」まで存在します。
突然の吐き気、吐き気に続き嘔吐がある、慢性的な吐き気などは、特に注意が必要です。
吐き気の症状チェックリスト
- 突然強い吐き気におそわれた
- 吐き気とともに、嘔吐がある
- 思い当たる原因(暴飲暴食など)がないのに吐き気が数日以上続いている
- 腹痛、下痢、発熱、めまいを伴う
吐き気がある - 吐いても吐き気が治まらない
- 吐き気で水を口にできない
- 決まった時間・タイミングで
吐き気が起こる
上記のような吐き気があるときは、お早めに当院にご相談ください。
急な吐き気は要注意!
前日まで、さっきまで元気だったのに急に吐き気・嘔吐に襲われた場合には、食中毒やウイルス感染などが疑う必要があります。
吐き気・嘔吐があっても、水分を摂取できる、他に症状がなく横になっていられるという場合であれば、自宅で療養されてもいいでしょう。
しかし、吐き気・嘔吐で水も飲めない、発熱・下痢など他の症状があるという場合には、できるだけ早く医療機関を受診してください。また、無理に食事を摂ると、症状が悪化するおそれがあります。
吐き気の原因はストレス!?吐き気を伴う疾患
吐き気の原因としてよく見られるのが、ストレスや不安です。仕事や家庭、勉強、あるいはスポーツなどにおけるプレッシャーなどがストレスや不安を招き、吐き気をもよおします。
多くの場合、嘔吐は伴いません。ストレス、不安は誰もが抱えるものではありますが、うまく付き合っていくことで、症状のコントロールが可能です。必要に応じて専門の医療機関をご紹介することもできますので、安心してご相談ください。そのほか、以下のような疾患を原因として起こる吐き気もあります。
逆流性食道炎
腹圧の上昇を招くような作業や習慣、加齢に伴う下部食道括約筋の機能低下、薬の副作用といった原因によって胃酸が逆流し、食道粘膜で炎症を起こします。
吐き気のほか、胸やけ、げっぷの多発、酸っぱいげっぷ、胸痛、咳、声がれなどの症状を伴います。
機能性ディスペプシア
胃の運動機能の低下や知覚過敏、ストレス、生活習慣の乱れ、胃酸の分泌過剰などによって起こる病気です。胃カメラ検査などでは異常は見つかりません。
胃もたれ、胸やけ、吐き気、胃やみぞおちの痛み、胃の着熱間、げっぷの多発、早期飽満感などの症状を伴います。
急性膵炎
飲み過ぎ、胆石などを原因として発症します。
膵液中の消化酵素が膵臓そのものを消化してしまい、多臓器不全に至ることもあります。
軽い胃痛から始まり、その後痛みが強くなり、腹部全体に拡大することがあります。この特徴的な症状に加え、吐き気を感じることがあります。
急性肝炎
ウイルス感染を原因として発症します。
吐き気、食欲不振、全身倦怠感、黄疸などの症状を伴います。
胆石症・胆のう炎
胆石症は、コレステロールや胆汁が固まってできる胆石が、胆のうや胆管に生じる病気です。そして胆石症と合併することが多いのが胆のう炎です。
腹痛、発熱、吐き気、黄疸などの症状を伴います。
便秘
悪化した便秘では腸内にガスが溜まり、吐き気を伴うことがあります。
その他、腹痛、腹部膨満感、排便困難などの症状を伴います。
腸閉塞
腹部の手術、腹膜炎などで腸が癒着し、狭窄した腸内を内容物が通りにくくなります。
吐き気や嘔吐、腹痛、腹部膨満感、排便困難といった症状を伴います。
吐き気の検査と診断
吐き気の頻度や自覚した時期、それ以外の症状の有無、既往歴、服用中のお薬などについてお伺いします。ストレスを原因として起こる吐き気もあるため、思い当たることがあれば、お伝えください。その上で、血液検査、超音波検査、胃カメラ検査などを行います。
当院では、嘔吐反射の起こりにくい経鼻内視鏡をご用意しております。また、鎮静剤を使用し、ウトウトとした状態で楽に胃カメラ検査を受けていただくことが可能です。
消化器・内視鏡専門医の院長が丁寧に診療して参りますので、安心してご相談ください。
吐き気の治療と対処法
吐き気の原因となる疾患が見つかれば、その疾患に応じた治療を行います。ストレスを原因とする吐き気の場合には、できる限りストレスを回避・軽減する方法を一緒に考えます。
またより専門的な検査・治療が必要と判断した場合には、心療内科など、専門の医療機関と連携し、治療を進めます。