AICS(アミノインデックスがんリスクスクリーニング)とは?
血液中のアミノ酸濃度を測定し、健康な人とがんである人のアミノ酸濃度バランスの違いを統計的に解析することで、現在、がんであるリスクを評価する新しい検査です。
健康な人の血液中のアミノ酸濃度は、それぞれ一定に保たれるようにコントロールされていますが、さまざまな病気になると、一定に保たれている血液中のアミノ酸濃度のバランスが変化することが分かっています。この性質を応用したのがAICSです。
AICSの特徴
AICS(アミノインデックスがんリスクスクリーニング検査)の特徴
がん患者の生存率は、医療の発展とともに上昇傾向にあります。一方で、がんの種類によっては患者数の増加も見られます。
その中で、AICSは、手軽なスクリーニング検査として、健康診断や人間ドックにも導入されることが増えています。レントゲン検査・CT検査などに代わる検査として、注目を集めているのです。
また、5mlという少量の血液を採取して実施できる検査であり、患者様のお身体の負担も少なくなっています。 男性の場合は胃がん・肺がん・大腸がん・膵臓がん・前立腺がんが、女性の場合は胃がん・肺がん・大腸がん・膵臓がん・乳がん・子宮がん・卵巣がんが、それぞれ検査の対象となっています。
AICSの検査対象となるがん
男性では胃がん、肺がん、大腸がん、膵臓がん、前立腺がんの合計5種のがんに対するリスクを評価します。女性では胃がん、肺がん、大腸がん、膵臓がん、乳がん、子宮がん・卵巣がんの合計6種のがんに対するリスクを評価します。
(子宮がん・卵巣がんについては、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんのいずれかのがんであるリスクを評価することはできますが、それぞれのがんのリスクについて区別することはできません)
AICSの対象者
下記年齢の日本人(妊娠されている方を除く)を対象として開発された検査です。
検査時に妊娠されている方、授乳中の方、がん患者(治療中を含む)の方、先天性代謝異常の方、透析患者の方は、AICS値に影響がありますので検査は受けられません。 ※各がん種の評価対象年齢は、一部受診対象年齢と異なります。
検査項目 | 評価対象疾患 | 対象年齢 | |
---|---|---|---|
男性 AICS(5種) | 胃がん・肺がん・大腸がん・すい臓がん | 25~90歳 | |
前立腺がん | 40~90歳 | ||
女性 AICS(5種) | 胃がん・肺がん・大腸がん・すい臓がん・乳がん | 25~90歳 | |
子宮がん・卵巣がん | 20~80歳 |
AICSの受診の注意事項
①食事は検査前から8時間空けて下さい。以降は水のみにとどめて下さい。
- 特に、アミノ酸サプリ・製剤・スポーツ飲料・牛乳・ジュースは不可。
- 持病の薬は報告してください。
②妊娠されている方はAICS値に影響が出ますので検査は受けられません。 生理中の方も検査は受けられません。
③AICSは『アミノインデックスがんリスクスクリーニング』です。
がんを確定するものではありません。
④検査の結果が出るまで、約10日間かかります。
AICSの結果について
AICS(アミノインデックスがんリスクスクリーニング検査)
現在がんである可能性を調べるスクリーニング検査です。
各がんのリスクについて、0.0~10.0の数値で結果が出ます。またその数値によって、以下のランクA~Cに分けられます。
ランクCの判定であった場合には、該当するがんについての精密検査を受けることをおすすめします。
ランクA | 通常より、がんリスクが低い(0.3~0.7倍) | |
---|---|---|
ランクB | 通常より、がんリスクがやや高い(1.3~2.1倍) | |
ランクC | 通常より、がんリスクが高い(4.0~11.6倍) |
※AICSは、がんであることを確定する検査ではありません。
※AICSは、現在のがんの可能性を調べる検査であり、将来的または一生涯のがんの可能性を調べる検査ではありません。
※がん以外にも、以下のような疾患が、AICSの値に影響を与えることがあります。
肺:肺結核、肺気腫、無気肺、非結核性抗酸菌症、間質性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)
前立腺:前立腺肥大症、糖尿病
子宮・卵巣:子宮内膜症、子宮筋腫、良性卵巣腫瘍
AICS(アミノインデックスがんリスクスクリーニング検査結果の異常所見が見られた方へ
CS(アミノインデックスがんスクリーニング検査)では、胃がん・肺がん・大腸がん・すい臓がん・乳がん・子宮がん・卵巣がんといったさまざまながんのリスクがA~Cの3段階で判定されます。
たとえば胃がんの場合、A段階で1300人に1人、B段階で600人に1人、C段階で100人に1人の割合で、がんになる可能性があるということです。
一般に、さまざまな部位における「がんになる割合」は1000人に1人とされているため、C段階の判定を受けた方は、精密検査をおすすめします。
当院では、胃カメラ検査・大腸カメラ検査に対応しておりますので、他院へとご紹介せずに、胃がん・大腸がんの精密検査を受けることが可能です。必要に応じて、組織を採取し病理組織検査を行います。
なお、肺がん・すい臓がん・乳がん・子宮がん・卵巣がんの精密検査が必要になった場合には、すみやかに提携する病院へとご紹介させていただきます。
N―NOSE®線虫がんリスク検査
石川消化器・内視鏡クリニックでは、尿の1滴からがんリスクを調べることのできる検査「N-NOSE®」を導入しております。
土壌、水中などに広く生息する「線虫」が持つ、“がん罹患者の尿に集まる・健康な人の尿からは離れる”という性質を利用して、患者様の尿に線虫がどのように反応をするかを調べます。
早期がんから高精度に検知できる検査であり、最初のがんスクリーニング検査に適しています。ただし、がんの種類や大きさを特定したり、がんがある部位が分かるものではないため、その点はご注意ください。
N-NOSE®の結果、がんリスクが高いと判定された場合には、精密検査のご案内をいたします。
※「N-NOSE®」は、株式会社HIROTSUバイオサイエンスの登録商標です。
当院でN―NOSE®検査をうけることができる方
N-NOSE®を受けるためには、以下の①~③のすべてに該当する必要があります。
その他、検査当日の患者様の体調によっては、その日に検査を実施できないことがあります。予めご了承ください。
①下記の要件をすべて満たしていること
- 20歳以上である
- 妊娠中でない
- 人工透析を受けていない
- がん治療中および経過観察中でない
②N-NOSE®の公式サイトをご覧になり、検査内容を理解していること
N-NOSE®の公式サイトをご覧ください。その上で、当院を含め、検査に対応している医療機関のご予約をしていただく必要があります。
ご不明の点を当院にお尋ねになってくださっても結構です。 ※N-NOSE®の公式サイトからのお申込みはできません。
検査を受ける医療機関にお申込みいただくことになります。
③検査のため、当院を受診できること
当院にお越しになった上で、検査を受けていただく必要があります。検体の郵送での受付などは行っておりませんので、ご注意ください。
N―NOSE®検査の流れ
①検査内容の理解・当院の予約
N-NOSE®の公式サイトをご覧いただき、その内容をご理解されましたら、当院のご予約をお取りください。
サイトの内容で何か分からないことがございましたら、当院にご相談くださっても結構です。
②同意書・問診票への記入
お申し込み後、患者様宛に案内書が届きます。中には同意書と問診票も入っていますので、ご覧になった上で、受診前にご記入ください。
③検査実施
案内書に記載された日時に、当院にお越しください。採血を行います。
持ち物
- 同意書、問診票
- 健康保険証(ご本人様確認のためにご提示いただきます)
- 検査料金
注意事項
- 検査前日は、通常のお食事を摂ってくださって構いませんが、アルコールはお控えください。
- 検査前の4時間は、絶食となります。ただしお水は普段通り摂ってくださって構いません。
- 検査当日、以下のうち1つでも当てはまる場合には、検査が受けられません。体調を整えてお越しください。
- 体調が優れない
- ひどく疲れている
- 睡眠不足、徹夜明け
- アルコールが残っている
- 風邪などの感染症にかかっている
- 妊娠中
- 生理中
④結果報告
検査日から8週間前後で、株式会社HIROTSUバイオサイエンスから「N-NOSE専用結果報告書」が郵送されます。
⑤検査結果
検査結果の見方を、ご指定の住所へと郵送します。
結果の詳細な説明をご希望の場合には、下記専用の窓口にご連絡ください。
【株式会社HIROTSUバイオサイエンス お問い合わせ窓口】
電話番号 | 0570-011-162 | |
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受付時間 | 平日10時~17時(土曜・日曜・祝日、年末年始を除く) | |
線虫検査で陽性判定・要精密検査と言われた方へ
線虫がんリスク検査で「陽性・要精密検査」だった方は、当院で実施する胃カメラ、大腸カメラ、CT、エコーなどで全身検査可能です。
二次検査として受診してください