食道裂孔ヘルニアとは?
食べ物は、口から食道を通り、胃に到達します。食道と胃の境目のあたり、やや食道側には「横隔膜」があり、横隔膜より上を「胸腔」、下を「腹腔」と呼びます。そして、食道が通るための横隔膜の穴が「食道裂孔」です。
食道裂孔ヘルニアとは、横隔膜の下、腹腔にある胃の上部の一部が、食道裂孔の上に滑り出してしまっている状態です。
これにより、胃酸が逆流しやすくなります。逆流性食道炎を合併するケースもあります。
げっぷやのどの違和感は食道裂孔ヘルニアの可能性も!?症状チェックリスト
- げっぷがよく出る
- のどの違和感
- 吐き気、嘔吐
- 胃やみぞおちの痛み
- 胸やけ
- 咳、呼吸困難
- 急な胸痛
- 口臭が強くなった など
上記のような症状がある場合には、お早目に当院にご相談ください。
口臭が気になる方は逆流性食道炎の可能性があります
口臭は、口腔に原因がある場合(虫歯・歯周病など)と、消化管などに原因がある場合があります。後者のうちの1つには、逆流性食道炎が挙げられます。またその逆流性食道炎が、食道裂孔ヘルニアによって引き起こされるということもあります。
虫歯や歯周病がないのに口臭が強いという場合には、一度当院にご相談ください。
食道裂孔ヘルニアの原因は?
食道裂孔ヘルニアは、胃の上部の一部が、食道裂孔を越えて滑り出している状態です。食道裂孔が加齢によって拡大したり、腹圧の上昇で胃が押し上げられたりすることを主な原因とします。腹圧が上昇する要因としては、猫背などの姿勢不良、肥満、長時間の前かがみの作業、締め付けるような服装、妊娠などが挙げられます。
食道裂孔ヘルニアの
検査と診断
症状や生活習慣についておききした上で、X線検査(バリウム検査)、胃カメラ検査などを行い、診断します。
当院では、消化器・内視鏡専門医である院長が、診察・検査・診断・治療を行います。また胃カメラ検査においては、経鼻内視鏡や鎮静剤にも対応し、できる限り楽に受けていただけるよう努めておりますので、どうぞご安心ください。
食道裂孔ヘルニアの
治療と治し方
食道裂孔ヘルニアが起こっていても、症状がないようであれば治療は必要ありません。しかし、特に逆流性食道炎を合併するなどして症状が出現している場合には、治療が必要です。
薬物療法・生活習慣指導
胃酸の分泌を抑える薬、食道・胃の機能を整える薬、食道の粘膜を保護する薬などを用いた薬物療法を行います。
また並行して、生活習慣指導も行います。規則正しい生活を送り、ストレスとうまく付き合い、自律神経の調子を整えることが大切です。
食後すぐに横になるといったことは、胃酸の逆流の原因となるので避けてください。就寝時に、上半身をやや高くしておくと、夜間の胃酸の逆流が起こりにくくなります。
手術
ヘルニアが大きい場合、薬物療法・生活習慣指導で改善が期待できない場合には、手術が行われます。近年では、腹腔鏡手術も盛んに行われるようになっています。
なお手術が必要と判断した場合には、速やかに連携病院をご紹介いたします。