胆石・胆石症とは?
肝臓で作られる胆汁は、脂肪などを消化分解する働きを持ちます。胆汁は胆管を通って胆のうへと移動し、そこで濃縮されて一時的に蓄えられています。
胆汁の通り道である胆管、または胆汁を貯めておく胆のうで胆汁が結晶化して石のようになったものを「胆石」といいます。そして、胆石を原因として痛み・発熱などのさまざまな症状をきたす病気を「胆石症」といいます。 なお、胆石症は大きく3種類に分けられます。胆のうの中で生じ出口で詰まる「胆のう結石」、胆管で生じ総胆管(肝管と合流し十二指腸へとつながる管)の出口で詰まる「総胆管結石」がほとんどを占め、稀なものとして肝臓内の胆管で生じる「肝内結石」があります。
胆石症は激しい痛みが
ある!?症状チェックリスト
- 右の肋骨の最下部またはみぞおちの痛み(胆道痛)
- 上記部位の刺すような鋭い痛み
または鈍い痛み - 背中、肩、腰などの痛み
- 高熱
- 黄疸
- 吐き気
- 食欲低下
- 倦怠感
上記のように、さまざまな症状が現れます。胆道通は、食後に出ることが多くなります。
ただ、結石があっても無症状であるケースが少なくありません。
このような方は
気を付けましょう
- 肥満
- 運動不足
- 無理なダイエット、ダイエットを繰り返している
- 脂っこいものをおく食べる
- 青魚、野菜をあまり食べない
- 暴飲暴食をすることがある
- 就寝前に食事を摂る習慣がある
- 40歳以上の女性
女性の胆石症の発症率は、男性の約2倍にのぼります。特に、40代以上の女性によく見られます。
胆石症の原因は?
胆石ができる原因は、未だはっきりと解明されていません。しかし、以下のような要因がリスクとなり、発症へと影響しているのではないかと言われています。
- 食べ過ぎ、肥満、ストレスなどの生活習慣の乱れ
- 胆のうが正常に働かず胆汁をうまく押し出せない
- 胆汁を構成する成分のバランスが崩れている
- コレステロールの増加
- 肝硬変や胆道感染に伴うビリルビンの上昇
胆石症の検査と診断
問診にて症状や既往歴、服用中のお薬などについてお伺いしたのち、腹部超音波検査、血液検査を行います。
腹部超音波検査では、胆のうの結石および総胆管結石をほぼ確実に発見できます。
血液検査では、胆のう・総胆管以外の結石を発見するのに役立ちます。また、そのほかの疾患や炎症の有無の確認にも有効です。
胆石症の治療
無症状である場合には、特別な治療は行いません。その後、経過観察を行っていきます。症状がある場合には、以下のような治療が行われます。
手術
第一選択となる治療です。胆石だけを除去しても再発する可能性が高いため、手術によって胆のうごと取り除きます。
現在は、腹腔鏡下での摘出術が一般的になっており、患者様のご負担も軽減されています。
ただ、腹腔鏡手術が難しい場合、胆のうの癒着がある場合、胆のうがんが疑われる場合には、開腹手術が必要になることもあります。
薬物療法
胆石の状態によっては、内服薬で胆石の溶解を図ることがあります。