食道がんとは?
食道がんとは、食道粘膜の表面から発生するがんのことを指します。粘膜下層までに留まるものを「表在型食道がん」、それより深い位置にまで拡大しているものを「進行食道がん」とそれぞれ呼びます。また、一般的な食道がんはほとんどがアルコール、喫煙などを原因として起こる「扁平上皮がん」ですが、一部にアルコール・喫煙と関係なく発症する「バレット食道がん」というものも存在します。
食道がんの初期は自覚症状がない!?症状チェックリスト
- 食べ物を飲み込んだときの違和感、
しみる感じ - 食べ物をのみこむときの詰まる感じ
- 嗄声(声枯れ)
- 胸、背中の圧迫されるような痛み
- 体重減少
胃がんと同様、初期にはこれといった症状がないのが、食道がんです。
上記チェックリストに1つでも当てはまるという方は、お早目に当院にご相談ください。
食道がんの原因は?
代表的な原因として、アルコールと喫煙が挙げられます。アルコールを摂取したときに体内で発生する発がん性物質「アセトアルデヒド」を分解する働きがもともと低い人は、そうでない人よりも、食道がんのリスクが高くなることが分かっています。また、アルコールをよく飲み、かつ喫煙習慣のある人は、そうでない人と比べて、やはりより食道がんのリスクが高くなると言われています。その他、熱い食べ物・飲み物をよく口にすることも、食道がん発症との関係が指摘されています。
食道がんになりやすい人
食道がんは、アルコールと喫煙による影響が大きいがんです。しかし、もともと食道がんになりやすい、という人もいます。それが、「お酒を飲むと顔が赤くなる人」です。アルコールを摂取すると、体内で発がん性物質であるアセトアルデヒドが発生します。アセトアルデヒドを体外へと排出させるためには、アセトアルデヒドを分解しなければなりません。しかし、お酒を飲んで顔が赤くなる人は、アセトアルデヒドを分解する力が弱く、体内に長く留まってしまうのです。これにより、食道がんのリスクが高くなります。
食道がんの検査と診断
症状の種類や程度、飲酒・喫煙習慣などについてお伺いしたのち、X線検査(バリウム検査)、胃カメラ検査などが行われます。ただ、X線検査では初期の食道がんの発見は難しく、より正確な診断のためには胃カメラ検査が欠かせません。疑わしい病変を発見したとき、その場で組織を採取し、病理組織検査にかけることもできます。その他、補助的な検査として、腫瘍マーカーを行うこともあります。
当院では、消化器・内視鏡専門医が胃カメラ検査を行います。また、鼻から通す経鼻内視鏡、鎮静剤を使用したウトウトした状態での検査にも対応し、苦痛の軽減にも努めています。
胃カメラ検査が初めてだという方も、どうぞご安心ください。
食道がんの治療
早期の食道がんであれば、胃カメラによって内視鏡的に切除することが可能です。必要・ご希望に応じて、提携する病院へと速やかにご紹介できる体制を整えております。
内視鏡的治療
早期の食道がんに対しては、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)といった術式にて、内視鏡による手術が可能です。
外科手術
進行し食道粘膜の深くまでがんが広がっている場合には、外科手術が必要になります。
先に内視鏡的治療を行い、がんの進行の程度を正確に把握してから、手術、化学療法、放射線治療を選択することもあります。
化学療法・放射線治療
がんが進行している場合の手術前に化学療法を行ったり、手術が困難な場合に化学療法・放射線治療を行ったりすることがあります。