お腹の痛みもさまざま
- みぞおちや胃のあたりが痛い
- 下腹部がチクチクと痛む
- 食後、空腹時、夜間など決まった時間に痛む
- グルグルとお腹が鳴り、痛む
- お腹が張ったような感じがする
- お腹を押すと痛みがある、強くなる
- 便秘、下痢を伴う痛みがある
このような腹痛は要注意!
- 動けないほど強い腹痛
- 突然の強い腹痛
- だんだんと痛みが増してくる腹痛
- 安静にしていても6時間以上続く腹痛
- ちょっとした振動で響く腹痛
- 胸痛、胸やけ、吐き気、嘔吐、下痢、血便、発熱、意識低下などを伴う腹痛
特に上記のような腹痛に見舞われた場合には、早急に医療機関を受診してください。動けない場合には、救急車を呼びましょう。
腹痛の原因は?
腹痛の原因はさまざまです。頻度として多いのは、ストレス、不規則な生活リズムで自律神経が乱れたり、暴飲暴食などを原因とする腹痛です。
また、胃、十二指腸、大腸の疾患を原因として起こる腹痛もあります。食べ過ぎなどで一時的にお腹が痛くなることは誰しも経験していますが、強さや持続時間、種類が「いつもと違うな」と感じたとき、他にも症状があるときには、お早めに当院にご相談ください。
毎回食後に腹痛が
起こることも!?
毎食後に腹痛が起こるような場合には、食生活の乱れ、ストレスなどのほか、ピロリ菌感染症、機能性ディスペプシア、慢性膵炎といった病気も疑われます。
食事そのものがストレスとなり、症状が悪化してしまうことがありますので、お早めにご相談ください。
腹痛を引き起こす疾患
腹痛のある場合に疑われる主な疾患をご紹介します。
逆流性食道炎
腹圧が上昇するような作業や習慣、加齢に伴う下部食道括約筋の衰え、薬の副作用などを原因とし、逆流した胃酸が食道粘膜の炎症を引き起こす病気です。
げっぷの多発、酸っぱいげっぷ、腹痛、胸痛、胸やけ、咳、声がれなどの症状をきたします。
胃・十二指腸潰瘍
ピロリ菌感染を主な原因として、胃または十二指腸で潰瘍が生じている状態です。
胃痛、嚥下困難、胸やけ、胸痛、腹痛、吐き気・嘔吐、黒い便(タール便)などの症状をきたします。
過敏性腸症候群
腸の機能的な問題によって、腹痛、腹部の不快感、下痢・便秘などの症状が慢性化している状態です。
排便によって腹痛や腹部不快感といった症状が一時的に治まることが多くなりますが、治療が必要です。
炎症性腸疾患
(クローン病・潰瘍性大腸炎)
免疫機能の異常によって腸細胞が攻撃を受け、炎症および腹痛・下痢・血便などの症状をきたします。
クローン病も潰瘍性大腸炎も厚生労働省より難病の指定を受けていますが、適切な治療によって症状をコントロールすることが可能です。
感染性腸炎
ウイルス、細菌、寄生虫の感染を原因として起こる急性の腸炎です。
吐き気や嘔吐、腹痛、下痢、発熱、食欲不振、血便などの症状をきたします。
腸閉塞
お腹の手術、腹膜炎などで腸が癒着を起こし、狭窄した腸管を内容物が通りにくくなることです。
吐き気、嘔吐、腹痛、腹部膨満感、排便困難などの症状をきたします。
急性膵炎
飲み過ぎを主な原因として、膵液中の消化酵素によって膵臓そのものが消化され、急激な炎症を起こしている状態です。
最初は軽い胃痛から始まり、その後みぞおちの強い痛みへと変化します。さらに痛みの範囲が急速に拡大し、腹部全体に強い痛みを感じることもあります。
急性虫垂炎
虫垂の閉塞によって炎症を起こしている状態です。
みぞおちの痛み、吐き気、食欲不振などの症状をきたします。痛みは発症後、右下腹部へと移動するという特徴を持ちます。
尿路結石
尿の流れの停滞、尿路感染、内分泌異常、代謝異常などを原因として、尿路のいずれかに結石が生じる病気です。
結石によって尿路が閉塞すると、わき腹・下腹部、あるいは背中に強い痛みが起こり、2~3時間持続します。またその間、痛みの強さには波があり、吐き気や発熱を伴うこともあります。
膀胱炎
膀胱の細菌感染を原因として起こる炎症です。
頻尿、残尿感、排尿痛、血尿、発熱などの症状を伴います。
腹痛の検査と診断
腹痛の原因には、さまざまな疾患が考えられます。問診の上、以下のような検査を行い、診断します。
診察から一貫して、消化器・内視鏡専門医である院長が担当します。ご安心してご相談ください。
血液検査
ウイルス、細菌の感染が疑われる場合、炎症や貧血の有無を調べる場合に、血液検査を行います。
胃カメラ検査
食道、胃、十二指腸の疾患が疑われる場合には、胃カメラ検査を行います。
当院では、鼻から通す経鼻内視鏡、ウトウトした状態を作る鎮静剤を使った胃カメラ検査を行っています。
大腸カメラ検査
炎症性腸疾患、大腸がん、腸閉塞、過敏性腸症候群など、大腸の病気が疑われる場合には、大腸カメラ検査を行います。
当院では、鎮静剤を使った苦痛の少ない大腸カメラ検査を行っています。また下剤については、ご自宅での服用だけでなく、院内での服用も可能ですので、ご都合のよい方をお選びいただけます。
腹部超音波検査
肝臓、すい臓、胆のう、尿管などでの疾患が疑われる場合には、腹部超音波検査を行います。
腹痛の治療と治し方
血液検査、内視鏡検査、超音波検査などで疾患の診断ができれば、その疾患に応じた治療を行います。
そのほか、生活習慣指導も行います。
生活習慣指導
食生活の乱れ、生活リズムの乱れなどが腹痛の原因になっている場合には、その改善のための具体的な指導を行います。
また、ストレスもできる限り軽減・排除すべきリスク要因です。思い当たるストレスがあれば、その対処法を一緒に考えます。